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釣り合いを取る

 整体を受ける目的はさまざまあるわけですが、その実現のために当院でおこなうことは決まっていて、体の不均衡、アンバランスを是正する、釣り合いを取るということをします。

 私の主観で釣り合いが取れても、お客さんの目的が実現されないことには意味がないので、両方を擦り合わすために試行錯誤をあれこれします。

 セルフケアもそうなのですが、この目的と行為を擦り合わせる作業が、施術のコツだったりします。

 

 整体の専門家が、体の構造を説明するために用いるモデルの一つに、テンセグリティという概念があります。

 辞書的には、「テンセグリティ(Tensegrity)とは、テンション(tension)=張力とインテグリティ(integrity)=統合という言葉から作られた造語。圧縮力と張力の力の釣り合いによって、構造が自己安定する構造システムを指し、ドーム型の建築物やテントなどに応用されている。」というものです。

 確かに、ある種の運動や整体を通してこの概念に触れていくと、体の動きや振る舞いについて腑に落ちるものが多くあります。

 うまく体の釣り合いが取れると、痛みや違和感、疲労感が緩和されやすくなり、動きやすさや活力が増します。

 患部に触れない施術なのに症状が緩和したりする、そうした体の振る舞いの不思議さも、釣り合いを取るという視点で見ていくとその不思議さが信頼感や安心感に変わってきたりします。

 体って不思議~

 体ってスゴイ!

 この感覚をお客さんと共有できる瞬間というのは、整体に取り組む醍醐味といえるかもしれません。