医学的には、単純な目の疲労を“眼疲労”と呼ぶのに対して、次のような状態を“眼精疲労”と呼ぶそうです。
「眼精疲労とは、視作業(眼を使う仕事)を続けることにより、眼痛・眼のかすみ・まぶしさ・充血などの目の症状や、頭痛・肩こり・吐き気などの全身症状が出現し、休息や睡眠をとっても十分に回復しえない状態をいいます。」
眼精疲労で全身症状が出現するメカニズムは、姿勢や目の緊張、ストレス由来といった仮説はあるようですが、医学的にはよく解っていないというのが現状のようです。
眼精疲労の原因
眼精疲労の原因としては、次の4つが考えられています。
①目の異常・病気
②体の異常・病気
③目の使い過ぎや目を使う環境の影響
④精神的なストレス
①は、近視、遠視、乱視などの屈折異常やその矯正不良。老眼やその矯正不良。ドライアイ。緑内障、白内障やその手術の影響。斜視、斜位、眼瞼下垂など。
②は、風邪やインフルエンザ、高血圧、糖尿病、更年期障害、自律神経失調症、虫歯や歯周病、耳や鼻の病気など、目以外の病気に伴って症状が出ることがある。
③は、パソコンやスマホなどの画像情報端末visual display terminal(VDT)の使用によるVDT症候群、また照明のちらつきやパソコン画面への映り込みなどの光の刺激、エアコンの風が直接顔にあたるなど。
④は、ストレスが強くなると心身に多様な症状を引き起こす。その一つとして眼精疲労がある。
眼精疲労の対処法
眼精疲労は上記4つの原因が複数重なることで出現しているため、対処としては次の5つが考えられています。
1. 病気が隠れていないか検査・処置
2. メガネやコンタクトが合っているか検査・処置
3. 目を使う環境を整える
4. ストレスを発散する
5. 体の疲労を解消する
1は、最初に選択すべき対処と言えるのではないかと思います。ドライアイなどは症状に応じた点眼液も増えているようなので、まずは医療機関で相談するのが基本です。
2は、メガネやコンタクトが合っておらず、眼精疲労になっている場合があります。違和感があるようなら眼科やメガネ屋に相談しましょう。
3、4は、日常の生活で取り組みたい内容です。
5は、睡眠や休息、セルフケアなどが基本となりますが、自分で解消し切れない場合には、整体などの選択肢もあります。